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装飾史の担い手であることの誇り

ジュエリーは長い歴史を通じて、それ自体が装飾品であると同時に、具象表現から幾何学模様に至るまでありとあらゆる装飾をまとって華やかさを競ってきました。ブランド スーパーコピー おすすめそれゆえに単なる飾りや金持ちのぜいたく品だといったレッテルを貼られもします。

コンテンポラリージュエリー分野で装飾が避けられがちだったのは「ただの飾り」として一蹴されることを避けたいという思いがありました。しかし、ダニエル・クルーガー(Daniel Kruger)(1951-)は早くから装飾的な表現を好みました。

はっとさせられる色遣い、きらきら光るビーズがひしめくネックレスなど、視覚の祝宴とでもいうべき作品群には魔術的な妖しさすら漂います。

その魅力のカギは生まれ故郷のアフリカにあります。幼いころから慣れ親しんだ大自然がもたらすめくるめく色彩やテクスチャは作家の心に深く根を下ろし、美意識の礎となりました。

クルーガーの作品を見ていると、手あかにまみれた技法が隠し持っていた魅力と新鮮さに驚かされます。本当の豊かさは身近なところに潜んでいるのかもしれません。少なくともクルーガーにとって、創造の鍵はすでにそこにあるものが握っているということなのでしょう。

クルーガーはまた、新しいものやこれまで存在しなかったものを作ることが目的なのではなく、歴史の連綿の一部として過去の世代から継承されてきたものを尊重し次の世代へと受け渡していきたいと語っています。この態度は、新しさを追い求めることだけがすべてではないことを教えてくれます。